この記事は、ハノイのオフショア開発企業を周って感じたこととオフショア開発に関するデータをまとめたものです。後半は旅の備忘録になっていますので、ハノイに関心ある方はそちらもお読みください!
目次
なぜ、ハノイ?
23年9月4日から五日間、ハノイに滞在してきました。ベトナムはオフショア開発を依頼する先として、もっとも人気があり、IT人材も豊富かつ時差も2時間しかありません。
弊社はコミュニケーション領域に特化したホワイトボード・ツールpostalkを提供しているのですが、ハノイの開発会社さんが長年アクティブに使ってくださっています。ホワイトボードツールでチームのコミュニケーションを円滑にしていきたい私たちからすると、とても関心のあるマーケットです。
今回は株式会社Engineerforceさんとラモ・テクノロジー株式会社さんが視察ツアーを企画してくださりました。本当にありがとうございます!
オフショア開発の現在
オフショア白書2023年版と株式会社LIGの記事を参考にオフショア開発のマーケットと動向をまとめますと
リソースの確保の重要性
クライアントや開発企業のニーズは「コストを抑えたい」から「リソースを確保したい」という方向に変わってきており、日本の開発現場では継続的なリソースの確保が求められています。これは、現地の企業とのミーティングでも金銭面でのPRではなく技術力のPRがメインだったこともあり、意外な点でした。
コスト面と契約形態の変化
円安の影響でコストが上がっていますが、オフショア開発を継続を考えているユーザーが多く、継続的な利用の需要があることが確認されています。また、請負契約からラボ型の契約の割合が増えていますし、さらなる拡大を視野に入れている企業も多いようです。
最大の課題はコミュニケーション
日本側がもっとも重要視しているポイントはコミュニケーションをいかに円滑にしていくかですが、オフショア先が懸念しているのは、リソース不足であり、彼らにとっての一番のセールスポイントは日本語によるコミュニケーションです。日本側が求めていることと懸念していることがオフショア先と逆転しているという現象が起きているのです。
ハノイの開発企業を視察して、一番最初に驚いたことは日本語が上手な方が多いことです。ですが、同じ言語で話していたとしてもコンテキストや単語の意味が違ったり、日本人特有の曖昧な表現は通用しません。
とあるオフショア開発を行っている方にお聞きした際に印象に残ったことですが、「日本人がいう“コンビニエンストア”と現地で開発されている方が利用している“コンビニエンストア”がまったく違うことがある。だから、コミュニケーションを大事にしている」とおっしゃっていました。
つまり、日本語でコミュニケーションが取れていれば上手く開発が進むわけではないということであり、上流工程を担当する日本の開発企業はコミュニケーションをよりよくするために努力されています。
postalkはコミュニケーション領域に特化したホワイトボード・ツールで、コミュニケーションに悩むチームがより円滑に開発を進めるための手助けすることを目指しています。グラフィカルなコミュニケーションがメインのホワイトボード・ツールではなく、ワンクリックで付箋を貼り合います。
また、ChatGPTとWhisperのAPIを利用し、ホワイトボードから文章を生成できるpostalk letter、話した内容からホワイトボードを生成できるpostalk withを提供しています。
- クライアントのミーティングを自動でメモできる機能
- postalkのボード上でまとめたことを文章にしてメール送信できる機能
- みんなが使いやすい、こだわったデザイン
これらの特徴を備えているpostalkは、クライアントからエンジニアまでみんなで使うことができます。
1日目
福岡の朝10時の便に乗りました。2月に台湾に行った時より混雑はしていなかったですが、まだまだ早めの移動を心がける必要がありそうです。どうでもいい余談ですが、地下鉄で空港に行くのではなく、博多駅からの直行便に乗る方がスムーズです。国際線に乗る機会が少なかったので、勉強になりました。
飛行機にも無事に乗り、スムーズに入国。ちょっと早く着きました。福岡からノイバイ国際空港までは4時間30分。とても近い。ゲートを抜けると、どこかお茶の匂いがする気がしました。滞在中に、お茶を飲まなかったのですが有名なのかもしれないですね。
空港からホテルまではbooking.comのタクシーを利用しましたが、1800円ぐらいでした。grabであれば、2000円ぐらい。金額面には大きな差はないものの、事前に予約ができて手間が少し省けるので、今後も利用したいです。
Eastin Hotel & Residences Hanoiというホテルを予約しましたが、とても綺麗なホテルです。受付の方は英語で対応してくださりました。Wifiはちょっと弱かったですが、オンライン・ミーティングする際には問題なかったです。時間の余裕がなく見れなかったが、プールとサウナがありました。次回はリベンジしたいです。
2日目
人生初のバインミー。こんなに美味しいものを今まで食べていなかったのか。六本松にあるシンチャオで気にはなっていたが、今度食べよう。300円ぐらいだったかな。
基本的に信号は機能しておらず、この中を左右注意しながら渡る必要があります。10年以上前に上海へ旅行したのですが、あのときを思い出しました。ハノイも数年後に行けば全く違う国になっているのかもしれないなと感じました。
Bunbu株式会社
- 50名ぐらい
- 日本語が堪能でした
- 慶應大学に留学していたそうです
- 社名の由来も文武両道のBunbuから
- 日本語が堪能でした
- オフィスもハノイだけでなく、ダナンと横浜にある
大きな建物。どんどん建っているそうです。
ピラゴーベトナム株式会社
- 従業員数は100名
- 2021年12月に日本法人を設立
- ChatGPTを利用した自社サービスも展開しているそうです
- 技術スタックの欄にBacklog!(同じ福岡です)
- 三日目の打ち上げでしったが、ハノイのオフショア開発企業ではかなり浸透しているそうです
- @hsmt さん、一緒に行きましょう🇻🇳
株式会社ラビロー
- すごく広いオフィス
- 150名以上の従業員
- ユーザートラッキングシステムの開発
- 中国にOEMし、デジタルサイネージも開発
- webシステム以外の開発も行うのが特徴です
夜ご飯はこちらのお店にいきました。ハノイのビールはとても飲みやすく、日本でも人気がでそう。もちろん、ご飯も美味しい!パクチーが苦手な方も多いかとおもいますが、基本的に日本人好みの味のように感じました。
現地でお世話になったオフショア開発を得意とする日系IT企業で勤務されている本間さんに連れて行ってもらい、ロッテセンターへ。夜景が素敵。ジャズライブも行っていました。
その後、本間さんがお勧めしてくれた中華料理屋へ。ここの中華が絶品。そして、湖が美しい。ハノイは大濠公園のような湖がたくさんあるので、なんだか居心地がいいです。
3日目
コードラックテクノロジー株式会社
- ホテルから近くのCodLUCK社へ
- ベトナムの拠点を一緒に作ってくれるそうです
- 社内で教育し、案件を受けて、分社化というアプローチ
SETA International Vietnam
- ここは唯一お客さんが欧米がメインでした
- 開発エンジニアのうち、80%修士号を取得しているそうです
株式会社ハポソフト
- 今回のツアーをサポートしてくれました
- Cảm ơn! Anh Thắng. Tôi cũng yêu Hà Nội
- 動画でのPRもあり、わかりやすかった
- 余談ではあるが、外の景色がよかった
- 隣が政府の施設らしい
DIGITRAN
- 30名ぐらい
- みんなでディスプレイを囲んで議論しており、活気があるように見えた
- 自分達のサービスの話がメインで10年前の福岡っぽさがあった
- 余談ですが弊社の隣には株式会社bottoという飲食店向けコミュニケーションツールを提供しているスタートアップが入居しており、botto社の宮田さんとDIGITRANのCEOのLongさんは一緒に働いてた。宮田さん曰く、とても優秀なエンジニアだそうです
- 世界は狭い
- みんなで最後のご飯
- ベトナム料理屋には3回目だったが、個人的には一番美味しかった
- 写真を撮り損ねたが、鳥が美味い!理由はすぐに捌いているそうです
- 福岡の人たちは鳥料理に目がないので、おすすめ
最終日(ここからはただのハノイ観光の話です)
お昼はGoogleマップを見ながら気になった場所へ。福岡よりも涼しいが、この日はさすがに暑かった。ただ、街並みは綺麗。
ハノイは湖が多い。大濠公園みたいな湖がたくさんあり、ジョギングしている人も多かった。
まずは趣味のショッピングモールを見学。Googleマップではわからなかったが、なんと地下にモールがあった。
戦争博物館に行くことを決めたが、時間が間に合わず、その周りを散歩するだけ。
反対側にはレーニン公園。何か重要なところを撮影してしまったのか兵隊さんに怒られてしまった。。
- 最後の晩餐は本間さんに連れて行ってもらい、焼き鳥屋さんへ
- ここも美味しい!鶏皮ポン酢と軟骨の炒め物が最高だった
- 案の定、ご飯の写真はないです。次から気をつけます。
そして、grabで空港へ。
オフショア開発の未来、グローバルなチームへ
日本では、少子高齢化やIT人材の不足などの問題により、国内のエンジニアの数が減少しています。一方、ソフトウェアの需要は、グローバル化やデジタルトランスフォーメーションの進展により、ますます増加しています。そのため、海外へのオフショア開発の依存度が増していくことは、必然的な流れです。
また、一度きりの請負契約ではなく、同じチームのようなラボ型への移行が進行しています。冒頭にも書きましたが、コストを抑えるために利用するのではなく、リソースを確保するためであり、そのため、国を跨いだチームを組むことが求められ、コミュニケーションの課題を解決することは双方不可欠です。
今回視察を受け入れてくださった企業のみなさまはとても親切で、技術への熱意と好奇心を持っていると感じました。また、ほとんどの企業が福岡から生まれたプロジェクト管理ツール「backlog」を使用していました。postalkも、世界中で利用されるサービスになれるようにがんばっていきたいです。
postalkはチームのコミュニケーションを円滑にしていくためのホワイトボード・ツールです。クライアントとのミーティングから、チーム内での振り返りミーティング、CodeSandboxを実行できるので、実装したソフトウェアの動きに対して付箋を貼り合うことができます。ぜひ、お試しください!