雑記

一週間を振り返るなら、ポストーク。振り返りの手法を4つ紹介。

ソフトウェア開発業界の人には馴染みがある話ですが、ある期間の区切りで振り返りのワークショップをチーム内で行うことが重要といわれています。問題解決・アイデア出し・チームの状態を知る・学びを得る・一体感が出るなど様々な効用があるためです。

その背景には、「アジャイル開発」という以下のような思想を持った手法があります。

プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、

ーーアジャイルソフトウェア開発宣言

ワークショップを通じて継続的な学びと変化を続けるチームが理想とされています。

実はその振り返りにも手法があり、アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセットという書籍では20もの手法が紹介されています。

そこで、今回は postalk で使いやすい手法を簡単に4つ紹介してみたいと思います。試しに今週の振り返りを postalk でやってみませんか?

KPT

おそらく最も有名な手法で 「Keep・Problem・Try」 の略です。その期間で「続けたいこと」「抱えている問題」「次トライしたいこと」を書き出すやり方です(以下、出てくる画像はとてもラフな例です)。

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それぞれ時間を区切って書き出すことが一般的です。その週の KPT を始める前に前週の KPT を振り返ることも忘れないようにします。

良かったこと、悪かったこと、次にすべきことを淡々と書き出す点が、昨今の柔らかい手法に比べると硬い印象を受けますね。

YWT

「やったこと・わかったこと・次にやること」 の略です。この手法の開発元であるJMACは以下のように YWT の特徴を述べています。

YWTの最大の特徴は、業務を軸としたものではなく、人を軸とした振り返り手法であるということ。YWTは自律的な人の成長を目指す目的で使うのが本質である。

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KPTと比べると、「問題」からさらに発展して「わかったこと」まで書かせる点が学びに重きを置いていて、特徴通り、人の成長を第一にしている印象を受けますね。

FDL

「Fun・Done・Learn」 の略で、「楽しかったこと・できたこと・学べたこと」を書き出す手法です。こちらの記事に詳細が記載されていますが、領域が重なっていて「どちら(どれ)にもあてはまる事柄」を書くことができる点がユニークですね。

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postalk では3つの丸の画像を作成して置いています。今のままでは少し不便さも感じたので、「カードから丸の生成」や「カードのロック」機能の実装を検討しています。

「楽しい」という感情にフォーカスしている点が、アジャイル・スクラムが大事にしている「人間味」みたいなものを感じられて良いですよね。

Win/Learn/Try

メルカリのエンジニア情報ポータルサイトで紹介されている 「成果報告・学べたこと・次のアクション」 を書き出す手法です。前者たちのいいとこ取りしただけのように見えるかもしれませんが、独自のルールなどがあり様々な工夫がされています。

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この例のように自分たちなりにアレンジしたり、発想の切り口を変えるために別の手法に切り替えるなど試行錯誤するのが振り返りの醍醐味かと思います。


このような手法は、ネットで調べてすぐできるようなものではなく、講座を受けたり思想を深く理解してはじめてうまくいくようなものです。ただ逆に、「とりあえずやってみよう」という小さく始める精神も重要です。

頻繁に起こる振り返りだからこそ、postalk のようにテキストを書いて動かすだけの「軽く始められる」アプリがマッチしていると感じます。

絵を作ることに気がとられて肝心の内容に集中できないのはもったいないと感じます。そこのハードルを下げられるのは postalk の役目かなと思っています。

postalk が皆さんの振り返りの一助になれば幸いです。