不自由さについて

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ライフ 生きることは、表現すること という展覧会に来ていて、熊本のomoken parkでこのブログを書いています。商店街の真ん中にあり、開放的な空間です。コーヒーも美味しい。

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岡田美智男先生の「弱いロボット」が一番の目的でした。岡田先生は、人が支えないと倒れてしまうロボット、ゴミを自分で拾うことができない人に拾うことを促すロボットなどを開発しています。

不便なはずなのに使いたくなる、postalkの目標でもあります。展示のテーマは「ライフ」でしたが、一貫して「ガラクタ」と「アーカイブ」について問われているような気がしました。

postalkと不自由さについて

  • 線が引けない
  • ボードが狭い
  • 色が少ない
  • 文字のサイズも2つだけ...

ネガティブに聞こえる特徴ばかりが続きました。線が引けないこともボードが狭いことにも狙いがあることは書いてきましたが、なぜpostalkは不自由なことを選んだのか。今回は、不自由さと有限についてです。

私たちが不自由さについて考えるとき、競合他社のプロダクトを頭に浮かべているわけではありません。つまり、あのサービスよりもシンプルにしようと言いたいわけではないです。postalkはシンプルさはもちろん重要だと考えていますが、むしろ現実での営みの利点と有限であることに重きを置いています。

会議室の広さ、目の前のホワイトボード、紙のノートには終わりがある。有限な空間だからこそ話すことやテーマ、書くことがあるのではないか。このことに関しては身近な気づきが影響しています。

無限が前提のソフトウェア

非同期なソフトウェアだからアジェンダさえ揃えれば自然と埋まっていくというのは(理想ではあります)、なかなか上手くいかない。このブログがもし、締め切りがなく分量もテーマも自由だとすると、書くことはとても難しい。制約があること、現実が不自由であるがゆえに生まれるものに私たちは強く惹かれています。

また、できることが少なければ、悩む余地を減らすことができますので、ファシリテーションのしやすさにも多少関係してきます。カードの種類が豊富にあれば、どのカードを選んでいいのか悩む余地が生まれてしまう。線を引く機能があれば、まだ考える余地があるのに結論の方向性を決めてしまう。選択肢が多いことが一概に悪いとは言いませんが、バランスは大事だと考えています。

ソフトウェアは現実に比べるとはるかに広大な場所と無限に近い資源を用意することが可能です。ノートの枚数も参加する人数も場所も気にする必要はありません。

完璧な空間を提供しているように見える。しかし、制約のない空間では出来ることが多いがゆえに自由になれない。どこかで限りがあるということを肌で感じる、それによって作業を終えることが出来るのではないでしょうか。

ソフトウェアの良さ、現実の良さ

前回、風通しの良さについて書きました。有限であるから切り上げて次へいく。不自由だからこそ、書くことや議論に集中する。そういう風に考えていますが、私たちの悩みは議論が白熱すればこの狭さが嫌になるということです。狭いが故に議論や熟考を切り上げてしまうことは避けなければなりません。

広大な場所と無限に近い資源、それはソフトウェアが持っている特性そのものです。私たちはそのことを否定しているわけではなく、その前提を踏まえながら現実の良さを取り入れていきたい。

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実験的ではありますが打開策をいくつか考えています。それは、すぐに違うボードへ移ることができる機能です。もっと気軽にボードを生成する機能と連続したボードを一気に閲覧できる機能を利用できるプランを夏頃にリリースする予定です。

私たちがネガティブな言葉を使うのは一般的なソフトウェアに対する観え方を変えたいからです。ネガティブだからと言って場所や道具そのものが悪いとは限りません。弱いから助けたくなるロボットのように、不自由さが良いコミュニケーションを生むということをもう少し模索していきたいと思っています。

1991年生まれ、福岡育ち。2013年に株式会社Technical Rockstarsにジョイン。2016年にバックエンドサービス「Milkcocoa」を株式会社ウフルへ売却。2018年から議論をより良くする「postalk」を運営しています。「山山山」主催者。

postalk

Web上で話し合いがスムーズにできるカード型のチャットツールです。シンプルな操作で、ログインなしでも利用することができます。