思想

イキイキとするソフトウェアを目指して。

今回のアップデートを通して私たちの働き方も大きく変わりました。それは「こざね法」とネットワーク構造の実装によって、今までよりも議論を深めることができるようになったからです。

カードの集まりからボードを作る

今回のアップデートの中でも、とくに重要な機能は、カードの集まりからボードを作ることができることです。この機能があることで私たちの議論の進め方も大きく変わりました。この機能を実装する上で参考になったのは、梅棹忠夫が書いた知的生産の技術で発表された「こざね法」です。

紙きれに、いまの主題に関係のあることがらを、単語、句、またはみじかい文章で、一枚に一項目ずつ、かいてゆくのである。おもいくつままに、順序かまわず、どんどんかいてゆく。(略)つぎは、この紙きれを一枚ずつみながら、それとつながりのある紙きれがほかにないか、さがす。あれば、それをいっしょにならべる。(略)何枚かまとまったら、論理的にすじがとおるとおもわれる順序に、その一群の紙きれをならべてみる。そして、その端をかさねて、それをホッチキスでとめる。

――梅棹忠夫「知的生産の技術」 p221-222から引用

私たちは、小さな気づきやToDo、深めたい議論など様々なことを共有するボードを毎日作っています。それらを一緒くたに語ることで新しい気づきが生まれることがありますし、チーム全体の雰囲気や状態がなんとなくわかるようになってきます。

これらのボードを作成することはとても重要なのですが、ある程度の集まりになれば、もっと話を深めたくなりますし、さらに分けて語りたくなります。

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カードをまとめて選択して、右クリック。そして、一番上にあるカードからボードを生成するをクリックすると、次のボードへいきます。

毎日いろいろな情報を書き出して、並べる。それによって、一見関係のないようなことが結びつくから、ボードも拡張する。今回紹介したように、こざね法を活用しながら情報を一度まとめて分け、それから深め合うことで「意外といろんなことできるよね」「postalkを使えば知的な議論ができるじゃないか」「チームで使えるかも」とおもってもらえれば幸いです。

postalkを支えるネットワーク構造

もうひとつ、大きな変化はネットワーク構造を採用したことです。採用した理由としては、情報を管理する上で代表的なフォルダ構造では、これからのリモートワークがある程度まで前提になるであろう社会において、不向きだと考えているからです。

ひとつは、決められた場所に保管しなければならないこと。とうぜん、ある程度決められた場所に収納されていなければ、管理されているとは言い難い。ですが、それを守っていくことはとても大変です。現実のオフィスであれば目の前に本棚があり、フォルダがある。「そこのファイルに書類を保存してね」と言えば、なんとかやれないこともなさそうなものですが、ソフトウェアになったとたん、情報量があまりに多く、とても難しくなってしまいます。

ふたつ目に、情報の精査がむずかしく、コウモリ問題が発生しがちだということ。これはセールスのフォルダなのかUXリサーチのためのフォルダなのかどちらに属するべきか悩ましい...みたいな経験はあるのではないでしょうか。ある側面でみれば、顧客との議事録であっても、べつの側面から見ればユーザーからの製品へのフィードバックだったりもする。ひとつの話題が実際には多岐に及ぶことはよくあることです。

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そこでネットワーク構造は、ボードからボードへと会話するように派生していくので、記憶の連想のように管理することができます。

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べつの話題だけど関係あることがあれば、このように関連付けることができます。

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ボードの位置を入れ替えることも可能です。

このようにネットワークを足したり、切ったり、入れ替えたりすることで構造を柔軟に作りかえていくことができます。次回以降のアップデートでは、ボードのアクセス権限によってネットワークを操作できる権限を変える機能も実装します。

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左上のロゴをクリックするとトップページに戻ることができ、ボードの作成、一覧表示、検索機能を使ってべつのボードを探すことができます。

ネットワーク構造を採用することで、どこになにを置けばいいのかという悩みが解消されます。なぜならば、私たちは自然の流れでボードを生成し、それが紐づけられている。過去にあった議論も検索することで見つけられるし、それを紐づけることも簡単にできる。

一見小難しいように見えるネットワーク構造なのですが、ひとりで使うとしてもチームで使っていくとしても無意識に構造化されていく仕組みとこざね法の組み合わせは、新しい体験になるのではないでしょうか。

非同期でも、ポストーク。

いままでのpostalkは、たまにのワークショップだったり、毎週の振り返りで使うような同期的なソフトウェアという印象も強かったのではないかなとおもいます。情報を蓄えるのには向いていないと直接言われることもありました。

同期的であることが悪いんだとはおもってはおらず、むしろ、同期的なものを今後は求められるでしょう。ですが、postalkならば、非同期的な使い方でもじゅうぶん面白いことができるのになと、歯痒い思いをすることが多々ありました。

ですが、今回のアップデートを通して私たち自身がイキイキと使うようになって、足りなかった部分がだいぶ埋まったのではないかと期待を抱いています。

毎回のことではあるのですが、小難しく書いてしまうのが自分の悪い癖で、じっさいに触ってみればなんてことのないことばかりです。ぜひ、私たちと一緒にワクワクしてもらえたらなとおもいます。