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postalk(ポストーク)をリニューアルしたときに考えたこと


最終更新:

新年明けましておめでとうございます、postalk 株式会社の @y0kaw です。
昨年は postalk(ポストーク)を使ってくださり、本当にありがとうございました。たくさんの方に使ってもらい、チーム一同、とても嬉しかったです。

今回は、リニューアルした際に考えたことを振り返えってみます。どこがどう変わったのか、私たちが大事にしていること、これから postalk はどうなっていきたいのかについて書いていきます。

目次

もっと、明確に。

2017年に公開して以来、たくさんのフィードバックをいただきました。最初は自分たちの周りの方々が使ってくれました。それから徐々に広がり、業界も IT だけではなくなってきました。

すると、私たちにとっては便利なものが本当に便利なのかがどんどん怪しくなってくる。いまの常識でいえば必要なはずなんだけど、どこかに違和感がある。もっと、自分たちが重要だと感じたことに忠実になってもいいのではないだろうか。そもそも、私たちがこだわってきたことも小さなことではないか。そう気づかされました。

先日、友人が短大の授業で postalk を使ってくれました。4人1組に分かれてワークショップを行ったのですが、冒頭に postalk の使い方を教えると、すぐにカードを貼り出したそうです。

友人に聞いたところ、生徒たちは日頃からソフトウェアに慣れ親しんでいるわけではなかったそうです。ただ、直感的にカードを貼り、入れ替え、議論を深めていった。そのときのスクリーンショットを見せてもらったのですが、同じテーマのはずなのに置かれ方は全て違うものでした。

カードがどこに置かれるのかでボードの役割が変わります。また、ボード全体の構造が違うだけで議論のありようは大きく変わります。もしかすると、『みんなで貼って、並べ替える』 それだけでも十分すぎるぐらい魅力的なのだと気づいた瞬間でした。

ボードを作り込みすぎない

リニューアル前は、カードのサイズを変えたり、枠を作ることができましたが、それらの機能を引き継ぐことはしませんでした。

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カードは六色で、マークダウン記法を採用していました
毎月の個人目標をカードで管理。カード型チャットツール「postalk(ポストーク)」の個人的使い方より、引用しました。

カードのサイズを変えられることにもメリットはあったのですが、どうも全体的にチグハグになることが多く、ひとつひとつ調整を始めると時間がかかってしまうことに気づきました。そこで、サイズを固定してチグハグになることを避けて、カードを書いたり、構造を考えたりすることに専念してもらうことにしました。

私たちはボードを凝ったものにしすぎることを懸念しています。もちろん、あれば便利だったり、使い手によっては美しくなるのですが、それよりもカードを主軸にしたコミュニケーションに集中してもらうことが大切だと判断しました。

それにしても、機能を減らすことはとても怖いことです。「なぜ、これができないの?」「前の方が便利だった」 とユーザーからもフィードバックをいただくこともあります。それでも、私たちが大事だとおもうことに集中していきたい。私たちは一枚の美しい平面よりも、みんなが書きこみ過ぎて汚れてしまった、ホワイトボードを目指したいです。

ゲームのようにコミュニケーションを

公開して3年が経ち、囲碁や将棋をやっているようなゲームに近いものがあるのではないかと考えるようになりました。ひとつの石や駒がどこに置くかでゲームの内容が大きく変わる。もっと俯瞰的にみれば、どういう戦略をとるのかでゲームの内容も当然変わる。友人や同僚、チームでのコミュニケーションをまるでゲームのように、楽しいものにできないだろうか。

ボード上に議題を書いてみたら、その下にどんどん新しいカードが置かれていく。そうしているうちに、カードのツリーが出来上がったり、主題と副題が変わってしまったり、何気なく書いたことがどんどん盛り上がって、そっちの方が大きな集まりになってしまう。

カードという点が、構造を大きく変えて、線や面を作り出す。いろいろなコミュニケーションをまるで遊びのように生み出していく空間を目指していきたいです。

もっとやさしく、もっと使いやすく。

どんどんシンプルにしていったことには、もうひとつ重要な側面があります。それは、幅広い層に使ってもらえるようにするためです。

2019年の春に東京から地元である福岡へ戻り、Fukuoka Growth Next という施設を手伝うようになったのですが、そこにはいろいろな人たちがいました。

これからどんどん学ぶんだという方もいれば、IT なんてまったく興味のない人まで。当初はとても困惑しましたが、私には東京よりもこっちのほうが自然だなと感じました。

よく考えれば、ラーメン屋でストックオプションや GitHub の話がポンポン出ている環境のほうが、稀です。私たちはとても狭い世界で戦っていたのではないのかと反省の毎日でした。この壁を切り崩せないならば、どれだけ高尚なことを考えたって無駄です。使われてこその、道具です。

コロナ禍で社会は変化を求められています。それは、弊社にとってもです。いろいろと書いていきましたが、ただシンプルにすれば使ってくれるというわけでは当然ありません。結局は根気強く、向き合うしかない。もっとやさしく、もっと使いやすく。

そして、今よりかしこく、もっと愉しくなれるように、今年も頑張っていきます。

さて、大きく変わったことはまだまだあります。ロゴも変わったし、ほとんど変えちゃったので、次は @kiyoppiko や @yutapian さんの寄稿を首を長くして待ちましょう。

今年も postalk をよろしくお願いします!